2021審査結果発表

『つくばショートムービーコンペティション2021』ノミネート作品最終審査の結果を発表いたします。

授賞作品発表

●自由部門

グランプリ
『KA.TA.MI』

つくば市長特別賞
『くしゃみ』

ウィットスタジオアニメーション賞
『マリー』

市民審査員賞&佳作賞
『BEFORE / AFTER』

佳作賞
『した ためる』
『SYNCHRO』

●3分以内のショートショート部門

筑波学院大学長賞
『リコリス』

佳作賞
『MELVAS』

●全天周映像部門

つくばエキスポセンター賞
『Season』

●つくば部門

佳作賞
『今日のお散歩』

●審査員長 総評 中村義洋 (映画監督)

●グランプリ受賞コメント 『KA.TA.MI.』 タイム涼介監督

KA.TA.MI.の脚本・監督を務めさせて頂きましたタイム涼介と申します。
この度はKA.TA.MI.を栄えあるグランプリに選んでいただきありがとうございます。
新型コロナで様々なイベントが中止される中でオンラインという新しい形を利用して映画祭の開催をしていただきとても感謝しております。
KA.TA.MI.におきましてもコロナ禍での作品制作にはいろいろな葛藤があり、自分一人であれば安全のため中止や脚本の変更を選択していたと思います。
そんな中、主演の早瀬さなさんのこの作品にかける思いを聞き考えを改めました。
たとえコロナ禍であっても若い俳優にとっては取り戻せない貴重な時代であり、今、目の前にある唯一のチャンスなのだと気づき、むしろ平常時以上の力で挑もうと決めました。
それを実現させてくれたスタッフにも感謝いたします。審査員長の中村義洋監督のコメントをお聞きして感激いたしました。私の心の葛藤を全部解説していただいてるようで鳥肌が立ちました。ありがとうございます!
今後も「自分が観たい映画を撮る」ということを肝に銘じていきたいと思います。

●グランプリ受賞者へのコメント 株式会社ワコム 坂本明義

若い世代の悩みを斬新な表現で映像化しており、笑いつつも非常に胸に刺さりました。
監督は漫画家さんとのことなので賞品の液晶ペンタブレットを漫画や絵コンテ制作にもご活用いただければ幸いです。
これからも素敵で斬新な作品を楽しみにしております!

●審査員評 望月義人 (筑波学院大学学長)

ビルの屋上での、ひとときの心の交流を描いた作品『リコリス』に心を動かされました。
多感な悩める女子学生と、苦難をすでに幾度と乗り越えてきたであろう女性、偶然出会った二人の心情の機微を、短い時間、少ない言葉のやり取りの中で丁寧に切り取っていると感じました。また出演者の演技も自然で作品の印象を高めていると思います。
ショート部門にも本当に多様な作品が集まっており、制作者のみなさんの熱量を感じました。3分以内という制約の中でも、あるいは制約の中だからこその自由で豊かな表現が可能であることをあらためて感じました。

●審査員評 中原徹 (公益財団法人つくば科学万博記念財団理事長)

2020年度(第8回)から「全天周映像部門」が新たな部門として加わりました。
全天周映像は、人間の視野のほとんどを映像が占めることによって、映像のつくりだす世界に取り込まれたような感覚を味わうことができます。撮影・制作をするにあたっては、画角が全天周ということや演出など通常の作品づくりとは違うことを意識しなければならない部分もあったと思います。今後も、全天周映像の特徴を活かした斬新なアイディアの映像制作に尽力されることを期待しています。

●アニメーション作品評 審査員 山田健太 (株式会社ウィットスタジオ)

『マリー』

人間関係の内にある、社会的な側面と個人的な側面の複雑なズレに見ごたえを感じました。
①登場人物の掛け合い構成の見やすさ
②アニメーションという手法のドライに見える印象が、本作のテーマと相乗効果を生んでいる
この2点が上手く機能していると感じました。
ロトスコープ技法のような芝居と、自然に見えるが実はアニメのためのセリフの言い回しも、作品の雰囲気と無理なく一致していると感じられました。

『メルバス』

芝居・ストーリーの中でどの絵が勘所か?というポイントをとてもよく理解して作画されていると感じました。マンガ的な視点が利いているのかなと思いました。
マンガもアニメも見慣れている人たちにとっては、3分に中身が詰まって一粒でオトクな作品でしたが、一方、本作をフラットに映像作品として見た人たちの一部は展開が早すぎると思われるでしょう。
映像作品がどのような意味において時間を伴った表現方法なのか、このコメントが、次の作品作りの前に考えるきっかけとなってくれると嬉しいです。
手が早そうなので、どんどん作品を作って色々な人に見てもらえると良いですね。次回作も頑張ってください!

<今後応募される方への激励>

アニメーションを個人で作るのは大変ですが、一人でも出来るし場所の制約も比較的少ないです。作ったことが予想外に自分の励みになったり、誰か何気なく見た人の励みになったりするのが良い所だと思います。
作品を作ったら周りの人に見てもらいつつ、応募もして頂けると僕たちも楽しめるので嬉しいです。

●審査員評 森本優貴子 (つくば観光大使)

森本優貴子 (つくば観光大使)

つくば観光大使の森本優貴子です。
この度は、審査員として参加させて頂きありがとうございました。様々な視点のお話を聞けて、貴重で楽しい時間でした。改めて作品を見返してみようと思います。
つくば部門「今日のお散歩」は"旧筑波山郵便局の秋の公開日"がテーマで、リラックスした気持ちになれる温かみのある作品でした。旧筑波山郵便局の一般公開は、年数回しかない貴重な機会です。作品をきっかけに、行ってみたいと思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
つくばは、自然、科学、食、街並み等、多くの魅力がある市ですので、次回は、どのようにつくばの魅力が撮られるのか「つくば部門」の作品を楽しみにしています!

ノミネート作品一覧

つくばショートムービーコンペティション2021にノミネートされた各作品についてご紹介します。

●自由部門

『KA.TA.MI.』

KA.TA.MI.

制作者
タイム 涼介
あらすじ
新人女優カタミが希望を胸に映画のオーディションに挑むが、審査員が発する辛辣な「言葉の銃弾」が、カタミの心身を撃ち抜く。しかし、くじけそうなカタミを救うのもまた、大切な人たちが残した「言葉の形見」だった。
※新しい撮影方法を用いたクライマックスの映像も見どころです。
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※予告編がご覧いただけます

『くしゃみ』

くしゃみ

制作者
高島 優毅
あらすじ
新型コロナウィルスの蔓延によって社会が崩壊して数年後。線路沿いの廃ビルで細々と暮らすチンピラが、高値で取引されているという医療用マスク「N95」を手に入れた。さっそく転売しようとしたその時、予想外の来訪者が......。
見所
コロナ第一波の巣篭もり期間中に脚本を書きました。コロナ禍で露見した「人間たちの愚かさ」が少しずつ絡み合って破滅に向かう様を、8分に圧縮しました。

『マリー』

マリー

制作者
鈴木 絢子
あらすじ
転校生の主人公はクラスメイトのササキとその友人を、過去に自分を苦しめた同級生と同罪だと恨んだ。そして自分が正義だと信じ、ただの腹いせとしか思えない制裁を下す。しかし、後に何故彼らが悪事を働いたかという真実を知り...
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『BEFORE/AFTER』

BEFORE/AFTER

制作者
GAZEBO
あらすじ
2020年1月。
この後、世界中に新型コロナウィルスが蔓延することなど知る由もなく、川久保晴は一人芝居の脚本の締め切りに追われていた。
そこに突然、もう一人の自分と名乗る者が現れる。彼女は一体どこから、なんのために現れたのか。
今を生きる皆さんに、今観てほしい、今しか作れない映画です。
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※予告編がご覧いただけます

『した ためる』

した ためる

制作者
菱沼 康介
あらすじ
2020年、新型コロナ禍の5月末。緊急事態宣言による外出制限で会えない恋人同士、それぞれ一人の時間を過ごす。
マコトは、恋人フミから「ちょっと待ってて」というメッセージ以来、連絡が来ておらず、不安になっていた。
見所
緊急事態宣言の中の空気を写し取った作品。感染対策を徹底し、スタッフ・キャスト含め5人だけで制作された。
出演
温、齋藤陽介
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『SYNCHRO』

SYNCHRO

制作者
張 時偉
あらすじ
カンフー少女が、片想いの男性に恋のおまじないをかけて、身体を乗っ取り操って、ある計画を実行しようとするが...
見所
いま世の中に悲しいニュースが溢れています。そんな中で僕は今回、見てくださった方が日常を忘れ、心が踊るような楽しい映画を作ることを目指しました。特にこだわった点は、「音」と「カンフー」の表現です。主人公の気持ちの変化を追体験できるような効果音や音楽をオリジナルで制作し、より物語を立体的に感じられる工夫をしています。また、プロのカンフー師範の方にアクションを考えていただき、迫力あるカンフーを表現することが出来ました。
ぜひ観客の皆様に、楽しんで見て頂けたら幸いです。
●3分以内のショートショート部門

『リコリス』

リコリス

制作者
テンクウ
あらすじ
風俗嬢が休憩している屋上に迷い込んだ、ぼろぼろの女子中学生。
その子の手首には包帯が巻かれていた。
数々の短編作品を生み出してきたテンクウ・高村剛志が、会話を極限まで少なくして、感情の動きを表現した今作。難しい役に挑戦したのは福岡を中心に活動する橋本あかねと安武風花。
3分という短い尺の中に込められた想いをどうぞご覧ください。
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『MELVAS』

MELVAS

制作者
比留間 未桜
あらすじ
獄中の囚⼈は仕事をサボって眠るか、それを妨げられて暴れるかの⼆択の⽣活を送っていた...鉄格⼦の先に、⼀⼈の⼈物が現れるまでは。
主⼈公や観客にとって何が⾒え、何が⾒えていないのか?場⾯の⾒せ⽅と展開を重視したショートアニメ作品。
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●全天周映像部門

『Season』

Season

制作者
高野 真衣
作品紹介
AfterEffectsのパーティクルで四季を表現した作品となっています。見る人には自分が鳥になった気分で作品を見てもらい、四季を巡ります。少し酔うかなというくらいの速さを意識しました。
見ている人の想像力を掻き立てることができるよう、モチーフを少し抽象的に表現したり、はじめの1周を視覚と聴覚からの情報が1対1になるように意識して制作しました。2周目以降は四季の移ろいをピアノの音がより引き立ててくれています。
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※全天周映像を平面に展開した映像となります
●つくば部門

『今日のお散歩』

今日のお散歩

制作者
地球レーベル ひとでちゃん
作品紹介
息子との季節を感じるお散歩記録。旧筑波山郵便局の公開日だと聞いたので、プチ登山してきました。自然を感じながらゆっくりと流れる時間を味わう贅沢。ちょっと外に出てみようかなと思ってもらえたら嬉しいです。
自然科学教育普及団体「地球レーベル」の活動の一巻として季節や自然を感じられるお散歩の様子や見どころを伝えたいと、動画撮影をはじめました。科学技術はもちろん、自然も豊かなつくばの魅力が伝われば幸いです。
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